日本政府は、2020年3月9日〜31日の間、韓国と中国(香港、マカオを含む)からの入国を制限することにしました。
これらの国と地域から日本を訪れる旅行客が、1年間にどれだけの金額を日本で消費してくれているのかを集計しました。元データは、観光庁の訪日外国人消費同行調査の結果「2019年年間値の推計(速報値)」です。
なお、マカオについてはデータがなかったので、中国、香港、韓国という3つの国と地域(以下、3地域)についての集計です。
消費の総額
3地域の観光客だけで 、旅行消費額は2兆5,451億円。訪日外国人全体の旅行消費額の53%を消費しています。
また、旅行客数で見ると、この3地域の合計は1,582万人となり、訪日外国人全体(2,986万人)の53%にあたります。
費目毎の国別消費額シェア
費目毎に、旅行消費額の国別シェアを見てみます。
以下に、3地域を合算したシェアと消費額を示します。
費目 | 3地域のシェア合計 | 3地域の消費額合計 |
総額 | 52.9 % | 2兆 5,451 億円 |
宿泊費 | 42.9 % | 6,065 億円 |
飲食費 | 47.7 % | 4,959 億円 |
交通費 | 40.6 % | 2,019 億円 |
娯楽等サービス費 | 44.6 % | 847 億円 |
買物代 | 69.3 % | 1兆 1,550 億円 |
その他 | 34.6 % | 9 億円 |
総額で見ると53%、買物代に限ると69%、宿泊費、飲食費、交通費、娯楽等サービス費は40〜48%を3地域からの旅行者の消費額で占めています。
1人当たりの費目別消費額
それでは、旅行者1人当たりの消費額を費目別に見てみましょう。
傾向
- 中国人
- 滞在期間での総額、1日当たりの金額ともに、消費総額が大きい。
- 特に買物代が大きい(他地域平均の3倍以上!)。
- 香港人
- 1日当たりの消費額が大きい。
- しかし、滞在日数が短いため、滞在中の消費総額は平均的な金額。
- 韓国人
- 1日当たりの消費額は平均的な金額。
- しかし、滞在期間が短いため、滞在中の消費総額は小さい。
まとめ
中国、香港、韓国という3つの国と地域だけで、訪日外国人の旅行者数および旅行消費額の53%を占めています。これらの地域(特に中国と香港)からの旅行者が戻ってこない間は、インバウンド業界はとても苦しい状況が続くと思われます。